【生活】アフリカの持続可能な農業体系から環境問題について考える

教養

こんにちは。ダチョウです!

 仕事でアフリカに滞在している際に目にした、ある地域に広がる生態系について記します。

 まずは、写真をどうぞ。

キリマンジャロ山の裾野に広がる生態系

 一見すると、ただの森です。ですが、ここに持続可能な生態系を維持するポイントがあるのです。ちなみに、この写真は、キリマンジャロ山の裾野のある地域で撮った1枚です。

 画像の中心部を見て下さい。羽のように広々と長く伸びている木は、バナナです。その下に生い茂る緑の葉とその枝葉に点々と白い花(ちょっと見にくいですが)を咲かせている木が、コーヒーです。次に、画像の上下に目を向けてください。バナナとコーヒーを守るようにそびえ立つ樹木、さらに、大きな木々の下で地表を覆う小草たち。

 それぞれの植物には、大切な役割があるのです。まず、大きな樹木は、下部に生い茂る植物を守るシェードツリー(日陰をつくる)になります。次に、バナナの木は、降雨を枝葉の間に蓄えて、緩やかに土壌に還元する、保湿効果を担っています。そして、下草(芋や豆類)たちは、地表の水分の蒸発を防ぎ、また、栄養を土壌に蓄える役割を果たします。

 なるほど、さまざまな植物が相互に影響し合いながら、一つの生態系をなしています。

 しかし、食料生産を考えたとき、これでは、小規模の収穫しか見込めないのでは、と思われます。確かにそうかもしれません。では、果たして、大量生産型の農業体系(プランテーション)は、本当に良いのか、ということです。

 プランテーションによる農業体系は、合理的であり、大量生産を可能にしてくれますが、問題点があります。第一に、水資源の枯渇です。栽培のために大量の水が必要であり、その資源には、地下水が利用されています。近年、大量生産を支える地下水の帯水層は、世界的に枯渇傾向にあります。第二に、土壌への負荷です。単一の植物を農薬等で大量に栽培し続けることで、土壌は劣化していきます。第三に、生産された食物は、正しく分配され、かつ、消費されているのか、という問題です。とりわけ、日本のフードロスは、凄まじいです。一方、生産物は、家畜の肥料に廻るか、あるいは先進国に大量に流れるだけで、本当に食料を必要としている地域には分配されません。

 さて、不耕起栽培という農業体系に注目してみましょう。これは、つまるところ、先に見てきた生態系を考慮した農業体系です。土を耕すことは、生態学的に有益ではないという立場をとります。手を加えることなく、ありのままの状態を保つことで、土壌の微生物が活性化し、害虫や病原体の発生を防ぐことができます。また、排水性や保水性がよくなり、干ばつや降雨による土砂崩れ等の自然災害に強くなります。あと、単純に、雑草を取り除いたり、耕したりするといった労力が省けますね。

 最後にもう1枚。

小規模農家の庭

 村の農家さんの庭先です。

 養鶏小屋があります。その他、豚や牛などの家畜小屋もあります。これら家畜の糞を有効活用します。家畜の糞尿に干し草を混ぜて作物用の堆肥をつくったり、害虫対策用の天然薬をつくったりするのです。

 農業体系に家畜を加えること、これもまた、森林や土壌の生態系を守る効果があります。このように、さまざまな作物が共生する農業体系は、まさにアグロフォレストリーですね。

 ちなみに、下草が、地表を守ることは先に述べましたが、作物を育てるのに、干し草が使用されます。干し草には、しばしばエレファントグラス(アフリカの草原に自生する多年生熱帯草の一種)が使われます。その草を収穫し、庭先で天日干しにして、作物の周辺に敷き詰めます。地温を調節し、地面の乾燥を防止してくれます。数ヶ月後には、土壌と一体化し、肥料へ変わります。

 これからは、大量生産による、大量消費社会ではなく、小規模生産、及び小規模消費による、地域循環型社会を実現していきたいですね。

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