【英語NEWS】カンボジアの新たな石油資源開発は経済社会の発展に貢献するのか

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こんにちは。ダチョウです!

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ダチョウ

はたして石油資源は、カンボジア経済の起爆剤となるのか。

元記事は、BBC “Can striking oil turn Cambodia’s economy around?, 29 January 2021” より

本記事のポイント

・カンボジアが、新たに石油産出を開始。
・資源による国家の成長に期待。
・課題は、資源の呪いと脱炭素社会の実現性。

 カンボジアが、新たな石油資源を国の成長の起爆剤として期待しています。

Hun Sen said oil production would be a boon for Cambodia’s economy from 2021 onwards and that revenues from the sector would be used to improve education and health.

BBC 29 January 2021
英訳

石油生産は、2021年以降のカンボジア経済に恩恵をもたらし、このセクターからの歳入は、教育と福祉の改善に使用されるだろう、とカンボジアの首相であるフン・センは述べた。

 15年という歳月と、開発の紆余曲折を経て、ようやく昨年の12月末に石油の汲み上げを開始しました。カンボジアは、東南アジア諸国の中で、最貧国の一つです。ですが、世界銀行によると、ここ20年間で、平均して7.7%の経済成長を遂げています。この成長を支えてきたのは、建設業、観光業、そして製品輸出です。これらが、全体の70%を占めています。今回、石油セクターが新たな成長戦略に加わったことで、さらなる経済発展が期待されます。
  
 カンボジアは、石油産業から政府歳入を得ている近隣諸国(タイやマレーシア)を若干羨ましく思っている節がありました。

 さて、本当に石油資源は、カンボジアの経済発展に寄与するのかというところです。 

 このことに関して、一部のアナリストは、石油セクターがカンボジア経済に与えるインパクトは小さいという見解を示しています。今回の油田からどれだけの量を産出できるのかということです。ちなみに、2017年にカンボジアが、クメール盆地にてKris Energyと共同開発した油田からの産出量は、1日当たり7,500バレルです。

 米国のエネルギー情報局によると、最大の石油生産国であるアメリカ、サウジアラビア、そしてロシアは、1日当たり1,000万バレル以上を生産しています。近隣諸国のタイでさえ、1日当たり50万バレルです。

※Kris Energy:シンガポールで株式上場。東南アジアを中心に石油・ガス資源の採掘をおこなっている

 しかしながら、産出があまり大きくないことは、国の成長にとっては良いことかもしれません。

Countries with resources sectors that dominate the economy often see lower growth rates and poorer governance. The phenomenon is known as the resources curse.

BBC 29 January 2021
英訳

一国の経済を支配する資源セクターを持つ国は、しばしば成長率が低く、ガバナンスが乏しいという現象が見受けられる。これは、資源の呪いとして知られている。

 つまり、国家が歳入を資源輸出のみに頼ってしまい、産業の成長が疎外されてしまうということです。また、為替上の問題もあります。大規模な資源セクターを持つと、為替レートが上昇してしまう可能性があり、輸出産業がにとって不利益となるということです。小規模な資源セクターなら、少なくともそれらの影響はありません。

 イギリスの経済学者であるリチャード・アウティが、「資源の呪い」という命題を唱えました。先に記した通り、資源が豊富な国は、資源に依存してしまい、産業が育成されない、という問題です。例えば、オランダです。オランダは、1959年のフローニンゲンのガス田を発見しました。それ以降、同国の製造業は発展せず、経済成長は傾いていきました。これをオランダ病といいます。

 その他にも、資源の呪いは、国の資源の利権が外資企業に握られている場合、次のような問題を引き起こします。資源の利権をめぐる内戦や政治腐敗。また、資源開発による土地の荒廃などです。これは、南米コロンビアやナイジェリア、その他のアフリカ諸国を見てみるとよいでしょう。

 最後に、もう一つ。石油開発はこれから厳しい状況下におかれることでしょう。確かに、資源輸出によって国家の財源が潤い、教育や福祉への投資資金を生み出せるかもしれません。デンマークが福祉国家の地位を築いたのも同じ方法によります。しかし、現在はESG投資(環境・社会・統治を重視した投資活動)が加速する時代です。各国は次々に脱炭素社会を掲げ、化石燃料の使用を削減する動きをみせています。デンマークもゼロエミッションを打ち出しています。

こちら:デンマークが化石燃料から脱却

単語まとめ
・boon:有益な、恩恵 
・onward:以降、前進する
・revenue:収入
・dominate:〜を支配する
・governance:ガバナンス、統治
・phenomenon:現象
・be known as:〜として知られている
・curse:呪い
ダチョウ<br>先生
ダチョウ
先生

今後のカンボジアの動向に注目だ。

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