【英語NEWS】人工パーム油が森林伐採を防ぐ!天然油の是非について考えよう

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こんにちは。ダチョウです!

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子<br>ダチョウ

ダチョウ

天然パーム油に取って代わる人工パーム油が、熱帯雨林の救世主となるで。

元記事は、BBC “A palm oil alternative could help save rainforests, 16 December 2020” より

本記事のポイント

・天然パーム油が、生態系を破壊している。
・しかし、パーム油の需要は、今後ますます高まる。
・そこで、人工パーム油が、生態系の救世主となる。

 パーム油は、私たちの生活のいたるところに用いられています。そのパーム油が、生態系に悪影響を及ぼしています。

There’s an ugly truth to the beauty products we slap on our faces and an unsavoury truth to the foods we eat: many are made with palm oil, which is responsible for the rapid deforestation of some of the world’s most biodiverse forests, destroying the habitat of already endangered species like the orangutan, pygmy elephant and Sumatran rhino.

BBC 16 December 2020
英訳

普段、私たちが顔にピシャリとつけている美容品には、醜い真実がある。また、私たちが口にする食べ物には、不愉快な真実がある。それら美容品や食べ物の多くは、パーム油から作られている。そのパーム油は、世界で最も多様性あふれる森林の一部を急速に破壊させている原因である。例えば、オラウータン、ピグミーゾウ、スマトラサイなどの絶滅危惧種の生息地が奪われている。

 パーム油の原料となるアブラヤシの栽培は、プランテーション方式です。主な生産地域は、インドネシアやマレーシア。このヤシの木を栽培するために、広大な土地が必要です。そのため、森林伐採が急速に進んでいます。ここ30年の間、パーム油プランテーションの50%が熱帯雨林などの森林を消失させてきました。

 天然パーム油は、具体的に、シャンプー、石鹸、洗剤、口紅、ビスケット、マーガリン、アイスクリーム、チョコレートなどに使用されています。とりわけ、世界中で消費されているパーム油の約70%は、クッキングオイルなどの食用品に使用されています。今後、世界の人口が上昇していくことを考えると、パーム油の需要はますます増えていきます。

 ちなみに、パーム油の消費量は、2050年までに、現在の4〜6倍ほどになると見積もられています。食用品としての需要に加え、バイオエネルギーとしての使用も同油の需要に拍車をかけるでしょう。

 そこで、この環境問題の救世主となるのが、人工パーム油です。現在、バイオテクノロジー産業によって、人工的にパーム油を製造し、それを商用化する動きが進んでいます。

 ※人工的な選択肢(synthetic alternative)

 では、この人工パーム油は、どのように作られるのでしょうか。

It’s a yeast, we feed it sugars, then the yeast grows and they’re able to produce large amounts of oil within their cells, and we have to squeeze out that oil or extract it.

BBC 16 December 2020
英訳

それはイースト菌だ。イースト菌に砂糖を与える。そして成長させる。すると、イースト菌の細胞内で大量の油が生成される。その後、その油を絞り出す、あるいは抽出する。

 この研究開発を手がけているのは、バイオテクノロジー企業のC16 Biosciencesです。同社はニューヨークに設立されて3年目という注目のベンチャー企業です。研究成果は、まだ商用化されていませんが、研究内容に潜在性があるとのことで、ビル・ゲイツやジェフ・ベゾス等から出資を受けています。

 先に記した通り、人工パーム油生産のカギとなるのは、遺伝子操作された微生物です。ビール醸造のような発酵プロセスを用いて、食品廃棄物や産業副産物を天然パーム油と科学的に類似した物質に変換します。

 現段階で、商用化は難しいです。天然パーム油は、滑らかでクリーミーな手触り、かつ無臭であって、様々な用途に使えます。このように、物質的に天然のものに類似させ、さらに食品から家庭用品にいたるまで、天然油の汎用性を模倣した人工油を生産し、商業ベースにのせていくには、莫大なコストを要します。それに比べ、天然パーム油は、非常に安価です。もし、人工パーム油が商用化されても、市場規模としては、ごくわずかなものにしかならないかもしれません。

 ですが、社会を変えていくために、人工パーム油の存在は必要不可欠です。

If we can get enough people to change then there is no longer any justified reason for burning forest to produce this vegetable oil, and that is a success.

BBC 16 December 2020
英訳

もし、多くの人びとの意識を変えられるなら、今後、植物由来の油を生産するために森林を伐採するための正当な理由はなくなる。成功はそこにある。

 ちなみに、世界最大のパーム油プランテーションを営むインドネシアのGolden Agri-Resourcesは、人工パーム油に対して、規模とコストの観点から悲観的な態度を示しています。もし人工パーム油が商用化されれば、インドネシアにいる約450万人の農家の生活に影響を及ぼします。あるいは、農家たちは、アブラヤシの生産の代わりに、ゴムの木の栽培を始めたり、また木材を生産するために森林伐採に走ったりなど、地球環境をさらに悪化させる選択肢をとるかもしれません。


 今までの参考記事です。

パーム油と強制労働に関して
アメリカがパーム油製品の輸入を制限 マレーシアで強制労働が発覚

森林伐採と農家の生活に関して
森林伐採を全免禁止すべき 小規模農家の生活はどうなるのか

単語まとめ
・slap:顔などをピシャリとたたく
・unsavoury:不愉快な
・be responsible for:〜の原因である
・rapid:急速な
・deforestation:森林伐採
・biodiverse:生物多様性
・destroy:〜を破壊する
・habitat:生息地
・endangered species:絶滅危惧種
ダチョウ<br>先生
ダチョウ
先生

これからもパーム油は、私たちの生活に必要不可欠。しかし、森林伐採を防ぐことは最重要課題。だけど、農家の営みを壊さないことも大切。天然油と人工油、どちらかに傾くのではなく、私たちが問題意識をもって、従来のものと代用品をバランスがよく共存させていくことが大事だ。

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