【映画】『グッド・ライ〜いちばん優しい嘘〜』(2014) ロストボーイズの苦悩とは?

【映画】

こんにちは。ダチョウです!

本記事は、タイトルの映画についてです。

子<br>ダチョウ

ダチョウ

家族愛、異文化の違い、移民、難民、アフリカの内戦などに興味がある人におすすめ!

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本作品のポイント

・1980年代にスーダンで起きた内戦で、多くの人が住まいを失った。
・大量の難民の内、アメリカへ移住した人をロストボーイズという。
・文化の違いに戸惑うが、米国社会で力強く生きていく。

作品情報

 本作の監督は、フィピップ・ファラルドーです。 1968年、彼はカナダのケベック州に生まれました。ちなみに、本作の制作には、『ビューティフル・マインド』や『ダヴィンチ・コート』を手がけたロン・ハワードが関わっています。
 本作は、スーダン内戦を逃れ、やがてアメリカへ移住したロストボーイズたちの実話に基づいています。また、実際の移住者たちが本作のロストボーイズを演じています。

あらすじ

 舞台は、20世紀後半のスーダン。1983年、第二次スーダン内戦が勃発。南部の村が次々に襲撃される。村人たちは、安全な場所を目指して歩き続ける。両親と故郷を失い、また旅路で病気や襲撃によって仲間を失い、1000キロもの距離を移動し、最終的にケニアの難民キャンプへとたどり着いたのは、マメール、ジェレマイア、ポール、そしてアビタルの4人。

 時がたち、難民キャンプで変哲もない暮らしをしていた4人に転機が訪れる。内戦でよりどころを失った若者をアメリカへ移住させる計画が立つ。4人は見事審査に合格し、アメリカ行きの切符を手にする。 

 舞台は移動し、21世紀のアメリカ。移民局の規則に従い、マメール、ジェレマイア、ポールの3人の男性は、カンザスシティへ向かう。一方、アビタルは女性であるため別の受け入れ先であるボストンへ振り分けられる。

 男性3人を出迎えたのは、職業斡旋事務所の女性キャリー。キャリーの尽力のもと、彼らは何とか働き先を見つけることができる。しかし、彼らは、スーダンとアメリカの間にある文明の違いに戸惑う。さらに過去の戦争体験がトラウマとなり、日常生活がうまくいかなくなる。

 キャリーは当初、仕事として彼らの対応をしていたが、次第に彼らの力になろうと行動する。あるクリスマスの日、キャリーは、離れ離れとなった兄妹アビタルをボストンから呼び寄せ、自身の家に受け入れる。
 
 家族がそろい、楽しい生活を送っていたある日、スーダンから手紙が届く。差出人の名は、死んだはずの兄テオからだった。マメールは、事実を確かめるためにケニアへ渡る。やがてテオと再開する。マメールは、共に米国へ戻ろうとするが、テオのパスポートが発券できない。マメールは、テオに自身のパスポートを渡して、アメリカへと旅立たせる。一方、自身は難民キャンプに残り、医療活動に従事する決意をする。

マメールたちの故郷とは?

 作中の4人がもともと住んでいた場所は、バハル・アル・ガザールというスーダンの南部に位置する村です。その村には、ディンカ人という民族が元来住んでいました。スーダン南部は、環境に恵まれており、ディンカ人は広大な大地で、半牧半農の生活を営んでいました。

 1983年、その伝統的な生活に終わりが告げられます。第二次スーダン内戦の勃発です。この悲劇は、スーダン政府が自国全土にシャリーア(イスラム法)を敷いたことに端を発します。ディンカ人の居住区に、北部スーダンからムラヒリーン(アラブ人)が進出を開始します(ハープーン戦争)。やがてアラブ人の襲撃は激化していき、ディンカ人は故郷を失います。

ロストボーイズの旅路とは?

 本作の焦点は、アメリカに移住したロストボーイズたちが、文明の違いに戸惑いながらも力強く生きていく姿におかれています。物語前半の流れは次の通りです。村が襲われる、村を抜け出す、エチオピアを目指し416km歩く。エチオピアも危険なエリアであることを知り、ケニアを目指して912km歩く。旅路で、生きていくために尿を飲む姿が描かれています。

 しかし、彼らの旅が極めて過酷であったことはおさえておきたいところです。旅路では、いつ襲撃が待ち受けているかわかりません。また、アフリカの大地は、厳しい自然環境だけでなく、野生動物たちも待ち受けています。真のサファリと言わんばかりに、小さいこどもたちが何年にも渡って生きていくのです。

 彼らの旅路に焦点が置かれた本があります。ベンソン・デン、アレフォンシオン・デン、ベンジャミン・アジャク、ジュディA・バーンスタイン『空から火の玉が・・・(南スーダンのロストボーイズ1987 – 2001)』です。興味のある方は、ぜひご覧ください。幼い子どもがハイエナに頬を食いちぎられたり、ライオンに目と内蔵をえぐられたりする生々しい描写もあります。

いい嘘とは?

 マメールが、授業で受け答えをするシーンが印象的です。先生が、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』の中で、いい嘘の意味は何かと生徒にたずねます。生徒の1人が、「いいウソとは、厳しい環境を生き抜くためのウソ」だと答えます。さらに先生が、物語の後半でなぜウソが変わるのかを質問します。マメールは挙手し、次のように答えます。

「なぜならハックが変わるから。ハックは、奴隷狩りに対して、奴隷はいないとウソをついた。しかし、何よりも大事なのは、そのウソでジムを救ったことだ。ハックには、ジムの自由が賞金よりも大事だった。」

 この描写は、本作の最後につながります。テオを迎えにケニアへ渡ったマメールは、大使館にてテオのパスポートを取得することができませんでした。しかし、マメールは、テオにパスポートの手続き申請はうまくいったとウソをつきます。登場て続きを目の前にしたマメールは、自身のパスポートと引き換えにテオをアメリカへと送り出します。

ダチョウ<br>先生
ダチョウ
先生

映画をよりいっそう楽しむには、先に紹介した本の他に、ダルフール戦争や難民キャンプに関する本などもおすすめだ!

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