【本】ウィリアム・シェイクスピア『マクベス』とは?あらすじと内容について紹介

こんにちは。ダチョウです!

本記事は、『マクベス』(Macbeth)についてです。

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『マクベス』は、シェイクスピアの4大悲劇のうちのひとつ。「きれいは汚い、汚いはきれい」

あらすじ

 物語の舞台は、中世スコットランド。主人公は、将軍マクベス。マクベスは、スコットランド王ダンカンに仕える身分である。彼は、同じくダンカンに仕える武将バンクォーとノルウェイ軍討伐の帰途に、三人の魔女に出くわす。魔女たちは、2人に次の予言を残す。マクベスには、「いずれは王ともなられるお方」、そしてバンクォーには、「子孫が王になる」と。

 マクベスは、戦功により、ダンカン王からコーダー領主の地位を授かる。しかし、魔女の予言に心を動かされたマクベスは、妻とともにダンカン王の暗殺を計らい、それを実行する。身の危険を感じたダンカン王の子息たちは、国外へ逃亡する。

 その後、マクベスがスコットランド王の座に着く。マクベスは、魔女がバンクォーに残した予言が気がかりでならない。そこでマクベスは、バンクォー家族の暗殺を実行する。しかし、息子のフリーアンスには逃げられる。

 その事が、マクベスに更なる不安を募らせる。さらに、有力貴族マクダフがイングランドへ亡命したという知らせが、マクベスの不安を増長させる。そしてマクベスは、マクダフの城を奇襲し、妻子を殺害する。その事実を知ったマクダフは、イングランドにて、マルコム王子とマクベス討伐を画策する。イングランド軍は、マクベスを討つべく彼の領土に攻め混んでくる。しかしマクベスは、「バーナムの森がダンシネインにやってくるまでは恐れるな」という魔女の予言を信じて動じない。が、イングランド軍は、バーナムの森が動いているように城へと攻め混んでくる。

 マクベスは、「女の生み落とした者のなかには、自身に刃向かう者はいない」、という魔女の最後の予言を信じつつ、マクダフと対峙する。だが、マクダフは、母の胎内から引きずり出された人間であり、最後の望みを失ったマクベスは、ついに首を撃ち取られてしまう。最終的に、ダンカンの子息、マルカムがスコットランド王の座に着く。

時代背景について

 『マクベス』が描かれた時代背景についてです。本書は、シェイクスピアによって、1606年に執筆されました。当時の主な出来事は次の通りです。1603年にイングランド王のエリザベスが崩御します。そしてスコットランド王のジェームズ1世が、同君連合としてイングランドの王に即位します。16世紀のヨーロッパは、社会システムが封建制から絶対王政へと移行する過渡期です。ジェームズ1世は、1598年に、自らの著書の中で、王権神授説を唱えています。シェイクスピアは、王の即位に際して、賛辞として『マクベス』を献上しました。ちなみに、物語に出てくる武将バンクォーは、ジェームズ1世の祖先にあたります。

近代的自我について

 マクベスから近代的自我を見て取ることができます。この物語には、三人の魔女が出てきます。彼女らは、マクベスに予言を与えます。魔女の語りは、マクベスに内在している野心や不安といった意識の表象として読み取ることができます。先に触れた通り、時代はイギリスにおける社会システムの激変期です。前近代における個人は、教会、封建領主、ギルトなどの権力者に保護される存在でした。しかし、国家の成立過程において、個人は、剥き出しの状態になり、巨大な権力と対峙する存在となっていきます。このような社会的コンテクストにおいて、マクベスによる王位簒奪劇は、社会の中で拠り所を模索し、揺れ動く自我を物語っているように思えます。シェイクスピアは、そのような個性を持つマクベスを破滅へと導きます。ここに、絶対王制による社会秩序の確立、つまりジェームズ1世への賛辞を読み取ることができます。

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