【本】ウィリアム・シェイクスピア『リア王』とは?あらすじと内容について紹介

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こんにちは。ダチョウです!

本記事は、『リア王』(King Lear)についてです。

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ダチョウ

『リア王』は、ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇のうちの一つやな。

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あらすじ

 物語の舞台は、ブリテン。主人公は、ブリテンの老王リア。高齢のため退位を決意したリアは、国を三分割して、領土を三人の娘に譲ろうとする。長女ゴネリルと次女リーガンたちは、巧みな言葉づかいによって父王を喜ばせ、一定の領地を約束される。一方で、実直な末娘コーディーリアは、父に対する愛をゴネリルやリーガンのように言葉にすることができず、勘当されてしまう。

 コーディーリアに求婚するためにブリテンに滞在していたフランス王は、彼女の高潔な態度に心を惹かれ、王妃としてフランスに迎え入れる。長女ゴネリルは、アルバニー公を夫にもち、次女リーガンは、コーンウォール公を夫にもつ。コーンウォール公には、グロスター伯という家臣がいる。そして、グロスター伯には、息子エドガーと庶子エドマンドという二人の子息がいる。

 ある日、エドマンドは、兄エドガーが父を殺害しようとしているという話をでっちあげ、父グロスターに密告する。それに激怒したグロスターは、息子エドガーを追放してしまう。その経緯を見ていたコーンウォール公は、エドマンドの行動に感銘を受け、彼を家臣にする。

 王でなくなったリアは、二人の娘ゴネリルとリーガンを頼るが、彼女らに裏切られて荒野へと追放される。彼は次第に狂気にとりつかれていく。グロスター伯は、リア王を保護しようとするが、コーンウォール公の命によって捕縛され、両目をえぐられる。グロスター伯は、エドマンドに騙されていたことに気づく。

 リアを助けるため、コーディーリアは、フランス軍とともにドーヴァーに上陸し、父との再開を果たす。しかし、エドマンドが率いるブリテン軍にフランス軍は敗北し、リアとコーディーリアは捕虜となる。エドマンドは、エドガーとの決闘の末、命を落とす。リーガンは、エドマンドとの仲を疑うゴネリルによって毒殺。そして、ゴネリルは自害する。コーディーリアもまた獄中で殺されており、娘の遺体を抱いて現れたリアは悲しみに絶叫しこの世を去る。

物語の構造について

 本書『リア王』には、リア王親子(長女ゴネリル、次女リーガン、末娘コーディーリア)を中心とした主筋と、グロスター伯親子(息子エドガー、庶子エドマンド)をめぐる脇筋があります。最終的に、リア王一家は壊滅します。また、グロスター伯一家は、庶子エドマンドを中心に崩れていきます。この二つのプロットが、物語の構造を重層的にし、そして悲劇に奥行きと幅をもたらしています。

親子間の愛情について

 本作の主題は、二つあります。一つは、親子の間の愛情と信頼にかかわることです。リア王は、三人の娘のうち、信頼していた二人に裏切られてしまいます。また、グロスター伯についても、信頼していたエドマンドに裏切られてしまいます。一方で、コーディーリアとエドガーは、愛していた父に裏切られてしまいます。グロスター家の悲劇に関しては、嫡出子か非嫡出子かという問題が入り込んでいます。

個と権威について

 もう一つの主題は、個と権威の関係についてです。リアは、王という権威を身にまとった人生を歩んできました。また、三女の親でもあり、父親としての権威も同時に有していました。王から退位した後、権威を捨てたリアの個性は、愚かさが際だてられて描かれています。国王という権威に包まれていたリアは、自身の愚かさに気づけませんでした。しかし、権威を奪われて孤独になった時、彼は「人間、外からつけた物を剥がしてしまえば、皆、貴様と同じ哀れな裸の二足獣に過ぎぬ」と観念するに至ります。

 本書が執筆された時代におけるイギリスの社会システムを考えてみると興味深いです。当時の社会は、封建制から絶対王政への移行期でした。前近代における個人は、教会、封建領主などの権力者に保護される存在でした。しかし、国家の成立過程において、保護者を失った個人は剥き出しの状態となり、巨大な権力、つまり絶対王政と対峙するようになります。シェイクスピアは、リアを取り巻く人物たちの悲劇を通して、当時の個人が直面していた苦悩を描き出すと同時に、絶対王政という権力構造への批判をも描いています。

ダチョウ<br>先生
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