【本】チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』とは?あらすじと内容について紹介

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こんにちは。ダチョウです!

本記事は、『クリスマス・キャロル』(A Christmas Carol)についてです。

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ダチョウ

『クリスマス・キャロル』は、チャールズ・ディケンズの作品や。

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あらすじ

 物語の舞台は、19世紀ロンドンの下町。主人公は、守銭奴の老人、スクルージ。彼は、スクルージ・マーレイ商会を営んでいる。とあるクリスマスの前夜、スクルージは、会社の書記ボブ・クラチットから、クリスマスの休暇を依頼され、嫌みを込めて受け入れる。また、甥のフレッドから、クリスマスの食事会に招待されるも、冷たくあしらう。そんな中、スクルージは、7年前のクリスマス前夜に死去した、相棒マーレイの亡霊に出くわす。その亡霊は、三つの幽霊がスクルージの前に現れることを告げて消える。

 スクルージは、亡霊マーレイの言葉通り、まず始めに、第一の幽霊に出くわす。その幽霊は、スクルージを、彼がまだ純粋な心を持っていた幼い頃の世界へと連れていく。次にスクルージは、第二の幽霊に出会う。その幽霊が彼を連れていった場所は、現在のロンドンの下町で、貧しくも幸せな暮らしを営む家庭だ。彼は、クラチットの息子ティムが長くは生きられないことを知り、心を痛める他、町中でぼろ着をまとい、醜悪な姿をさらす子供たちを目の当たりにし、戦慄する。最後に、第三の幽霊は、スクルージに、彼の未来を見せつける。そこで彼が見たものは、自身の無惨な死にざまだった。

 スクルージは、自身の悲惨な未来に、恐怖と後悔の念を抱き、三つの幽霊が示してくれた、過去、現在、そして、未来の教えの中に生きる決意をする。事始めに、スクルージは、クラチット家にとびっきりの七面鳥をプレゼントする。また、貧しい人々のために寄付をおこなう。さらに、クラチットの給料を引き上げ、労働条件を大幅に改善した他、ティムの第二の親となる。最終的に、守銭奴スクルージは改心し、クリスマスの楽しみ方を一番知っている人間となる。

時代背景について

 『クリスマス・キャロル』が描かれた時代背景についてです。本書は、1843年に、チャールズ・ディケンズによって執筆されました。18世紀後半からイギリスで始まる産業革命は、イギリスを「世界の工場」の地位に押し上げました。19世紀に入ると、イギリス経済は最盛期を迎えます。海外貿易から得られる莫大な利益は、イギリス社会に急激な都市化をもたらしました。その結果、ロンドンでは、貧富の差が拡大していきます。作中で描かれているぼろ着をまとった子どもたちから、貧困の情景を思い浮かべることができます。

社会批判について

 ディケンズの社会批判についてです。産業革命は、社会に中流階級という新しい階級を生み出しました。本書におけるスクルージは、中流階級に属します。一方、書記クラチットは、下層階級に属します。彼らの関係は、当時の社会で一般的に見られた、中流階級に搾取される労働者階級を物語っています。ディケンズは、労働者階級の立場に立って、社会の中で搾取する側に立つ階級を批判しています。また、スクルージと紳士との対話からは、1834年に施行された新救貧法への批判が込められています。

クリスマスの精神について

 ディケンズのクリスマスの精神についてです。産業化がもたらした科学の発展は、同時に社会に合理的な思考をもたらし、スクルージのような非人道的な人間を生み出しました。その結果、神に救済を求めるというキリスト教を軸とした従来の思考法が廃れていきました。

 作中でフレッドが、「クリスマスは、親切な気持ちになって人を許してやり、情ぶかくなる楽しい季節。」と発言しています。これには、ディケンズの人道的な古きよき価値観を大切にという思いが込められています。最終的に人を思いやる人間へと改心するスクルージは、社会に向けたディケンズのメッセージなのです。

ダチョウ<br>先生
ダチョウ
先生

クリスマスの季節には読み返したい一冊だ。さてこれからケンタッキーにでもいくか。

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